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インドの文化を変えたい

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TOTO(TOTO LTD.)
所長 籔野浩亘さん / 所長代理 渡部拓さん
 
ウォシュレットは、まさにインドの文化のためにあるようなものではないでしょうか。インドでも時々見かけるようになったものの、まだまだ一般的には知られていないようです。今後どのようにインドの文化に入り込んでいくのか。「インドにTOTO帝国をつくる」と宣言しているTOTOのお二人にお話を伺いました。
 
 
インドでのウォシュレットの知名度はまだまだ低いようですね。
籔野さん(以下Y):インドの経済成長にあわせて売り上げは伸びていますが、あとすこし時間がかかりそうです。
 
すぐにでも定着しそうな大きなマーケットなのではないでしょうか。
渡部さん(以下W):入社当時、そういう話をしたことがあります。インドの文化、お尻を洗う文化とメイドインジャパンの力があれば、インドだけでなくイスラム諸国など水で洗う文化がある場所に浸透していくのではないだろうかと。
 
メイドインジャパンの力があるうちに普及させて下さい。
W:大きなことをいえば文化を変えたいと思っています。日本のトイレ文化はだいぶ進化して変わりましたが、それと同様の変化をインドでも起こしたいです。

壁になるのはどんなことだと思いますか。
W:価格や認知度の問題ですね。それから習慣を変えるということなので、なかなか簡単には受け入れられないと理解しています。特にトイレというのは、隠されてきた部分です。日本語でも古くは「はばかり」や「かわや」(あからさまに口にすることがはばかられるため)などといい、遠ざけられてきたものですよね。それに新しい文化の普及というものは時間がかかりますから。
 
日本ではどのくらい普及しているのですか?
Y:現在の普及率は70%です。そこまで普及するのに20年ぐらいかかっています。
 
インドでは、最初から「水で洗う」という文化があるので、日本よりも早く普及するのではないでしょうか。
Y:生活レベルと収入がもっと平均的にあがってくれば一般的になると思います。
 
価格は一般的ではないのですか?
Y:少し高いかもしれません。日本で販売している価格より少し高いです。
 
実際にウォシュレットを使ったインド人のリアクションは?
Y:弊社の事務所にもウォシュレットを設置していますが、非常に好評です。これまでとは違い”機械”で洗ってもらうことに感動を覚えているようでした。使った人はみんな興奮していましたね。まあ怖がっている人もいました(笑)これは日本人でも同じですね。
 
現在はどういう人をターゲットにしているのでしょうか?
Y:お金持ちの個人がターゲットになっています。口コミで、VIPや高所得層の人たちには知られつつありますが、普及率はまだ一桁に届いていません。日本に住んだことがあるインド人や、日本とインドを行き来することが多いインド人の方々も購入して下さいます。
 
他にはどんなところに?
Y:例えば、インドの高級ホテルはシンガポール、アメリカ、香港やタイなどで設計されていることが多いのですが、設計の段階で設計士が弊社の商品を選んでくれていたりします。他にもホテルが建つという情報を聞いたらオーナーと話をつけたりもします。インドで有名なタージグループやオベロイグループにも納入しています。インドに進出して7年目になりますが、現在はプロモーションが出来るだけで営業活動は出来ないオフィスなので、シンガポール支店から売っています。もうすぐ営業活動もできるようになるのでそうなったら今にも増して張り切ってやろうと思います。
 
インドではウォシュレットの他に、どんなものがありますか?
Y:インドでのメインは便器、便座、水洗金具(蛇口・シャワー)、バスタブなどです。
 
インド国内にはどのくらいの数のショールームが?
Y:現在はハイダラーバード、チェンナイ、コーチン、コルカタ、デリーなど主要都市に11のショールームがあります。今年中にはもう少し小さな町にも20箇所弱を目標に、増やしていこうと考えています。先日ムンバイーに新しいショールームを開きました。開店式典にサリーム・カーン(ボリウッド脚本家。ボリウッド俳優サルマーン・カーンの父)がいらっしゃいました。
 
そういえば、雑誌でTOTOさんの宣伝を見たことがあります。
Y:インテリアの雑誌や機内誌などには時々掲載していますが、まだ力を入れて宣伝をしているとは言えない状況です。今後、中間層をターゲットにしていくことが出来れば、爆発的に認知度が広がると思いますので、ゆくゆくはテレビCMなども考えています。
 
競合他社はありますか?
Y:衛生陶器(トイレ、洗面器など)については、世界的な競合他社としてRocaやKohler、Duravit、水栓金具(蛇口・シャワーなど)においてはGroheなどがあります。
 
どのように差別化を図ることを考えていますか?
Y:品質と技術ですね。それらを併せ持った商品がウォシュレットです!あと、ウォシュレットと便器が一体型になったNeorest(ネオレスト)は弊社の最高傑作です。
弊社の製品は厳しい自社基準をクリアしたもののみ市場へと送り出していますので、その品質は世界一と自負しています。自動水栓(手をかざすと自動で水がでるタイプ)に関しても、独自の技術を多く取り入れ他社の追随を許さない高い技術力で差別化を図っています。節水や節電にも力をいれていますので、地球環境をまもり、インドの状況にも合っていると思います。
 
下水の普及率はどれくらいなのでしょうか?
Y:インド全体では約23%程度と認識しております。ただし、地域によって差があり、都市部では30%前後のところもあるようです。下水の起源は古代インドのモヘンジョ・ダロで発見されたものが最古だそうですよ。
 
インド独自のトイレエチケットを教えて下さい。
Y:既に皆様ご存知かと思いますが、左手を使って洗います。それから、小指を立てるとトイレの意味です。ちょっとトイレに…など口に出さなくても小指を立てればトイレに行きたいんだな、と分かります。それ以外には、洋風便器のフチの部分が若干太くなっていて、そこにしゃがんで和式便器のように用を足すことが出来るトイレがあります。これはインド独自のものではなく、その他の国でもみられますが。
 
ところで、インドに赴任してどう感じていますか?
Y:まだ赴任して1年経っていませんが、今までに経験したことのないことを経験でき、とても楽しい毎日です。赴任する前は、コンビニなどがなくて困るだろうな、など不安がありましたが、実際にはそれに変わるものが色々あります。最初のころは、意味もなく辛い感じでしたが、仕事面を考えてもここでは日本とは違ったかたちで仕事が出来ますし、気に入っています。まだ時々お腹を壊しますけど(笑)。
W:私はまだ2ヶ月ですが、インドは私にとって来てみたい場所で、希望して来ました。そもそも若い頃からインドという国自体に興味があり、海外で仕事がしたいという気持ちと2つの希望がちょうど重なり、楽しく働いています。

赴任する前にもインドに来たことが?
Y:大学時代に2人とも旅行で来たことがあります。私も希望してインドに来ました。社内でインド勤務を希望していたのは我々2人か、他にいても数人でした。おかげで赴任することが出来ありがたいです。でも実際に辞令がおりた時は、驚きと嬉しさと戸惑いの気持ちが入り混じりました。
 
インド人と一緒に仕事をすることについてどう感じていますか?
Y:舵取りの力が必要だと思います。文化が違うので違う考え方を持っていますが、こちらがそれに適応し、逆にうまく活用すれば勤勉な人たちだと感じています。
W:2ヶ月で分かったことは、日本の常識からは少し外れても、多少気楽に考えることが必要だということですね。真正面から全てを受けずに、多少気楽に。
 
インドにきたからこそやろうと思うことはありますか?
Y:ゆくゆくはヒンディー語を覚えていきたいと思います。日本人もそうですけど、インド人同士はちょっと都合が悪くなるとヒンディー語で話しだすので、それが分かるようになりたいです。
W:ジャンムー&カシミール州に世界最高の標高をほこるスキー場があると聞いたので、そこでスノーボードをしてみたいです。

日本のビジネスマンに一言。
W:実際に来てみて、インドは参入が遅れれば遅れるほど不利なような気がしています。日本にいながら情報を耳にするより、何も分からない状況でもとりあえず来てみるといいのではないでしょうか。まだ2ヶ月しか経っていないのに、実際に来てみないと分からないと思うことがたくさんあります。
Y:案ずるよりも生むが易しです。もしインドに進出することを考えている方がいらっしゃるのなら、迷わず早い対応をおすすめいたします。今インドは世界で一番、特にビジネスをするにはとても面白い国です。
 
お二人ともインドで仕事が出来ることをとても楽しんでいるようでした。所長の籔野さんは、日本で「インドに快適な生活文化を創造します!」と宣言してきたそうで、やるしかないですね。とおっしゃっていて、とても頼もしく感じました。最近は韓国企業に押され気味の日本ですが、TOTOさんがまたインドでの日本の地位を確立してくれることを期待します。


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