バナーラスは悠久の聖地である。ヒンドゥー教徒にとってもイスラム教徒とってもよりどころとなる街で、数世紀に渡ってお互いに平和に暮らしてきた。イードの朝は、街中の細い道が派手な飾りで埋め尽くされ、ナヴラートラ(9日間に渡るヒンドゥー教の祭)を祝うバジャン(祈りの歌)とイードの祝いが同時に鳴り響く。イードはインド中どこでも祝われるものでありながら、バナーラスでは他のそれとは全く異なっている。イードガー(ムスリムの礼拝用のモスクや広場)では人々が愛と平和で一つになり、優しさを表現、共有する。
断食月が明けた次の日、イスラム教徒はイード・ウル・フィトルを祝う。服を新調し、お互いに贈り物して、すばらしいイードが迎えられるよう祈る。貧者に施しを行い、親戚や友人達を訪れたり、訪問客を特別な料理でもてなしたりする。
バナーラスでは、イスラム教徒の帽子を被った大勢の人々がガンジス川のガート(河岸)で祭を祝っているのが見られる。ヒンドゥー僧とイスラム導師(イマーム)は公共の場でお互いに祝いの言葉を述べ、お互いの共同体が愛と平和につつまれることを願う。
「私はセヴィヤン(イードに欠かせないお祝いのお菓子)が好きです。」とガートのヒンドゥー僧、モーハンデーヴは言う。「我々はお互いの祭りを一緒に楽しみます。イスラム教徒もホーリー祭、ディワリ祭、時にはラームリーラーさえ楽しむのです。」と彼はつけ加えた。
イスラム教徒は、コミュニティレベルでセヴィヤンやノン・ベジタリアン料理を食べるパーティー、”イード・ミラン・サマーロー”を開き、ヒンドゥー教徒のためにベジタリアン料理もたくさん用意する。ナヴラートラの10日間の祭りはイードと重なるためノン・ベジタリアン料理を味わうことの出来ない人々が大勢いるからだ。
イードの魅力は何と言っても何種類ものセヴィヤンだ。キーマ・セヴィヤン、シール・セヴィヤンそして牛乳で作ったセヴィヤンなど。ナヴラートラの間ヒンドゥー教徒が行う断食明けのためにも、イスラム教徒がベジタリアン料理の厨房で作ってくれる。
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